物語を命綱にして。
「自分の店を持つならば、ディテールまで想像できること」
独立前、掛川哲司シェフは建築家である父にそう言われたという。細部まできちんと詰めていくために、彼がしたのは、物語をつくることだった。
「1789年、フランス革命の頃。場所は北欧あたりの海に浮かぶ、ポントレットという架空の島です。ヨーロッパやアジア各地と交易する港町で、石畳の広場には教会があり、ポンコツの車が走っている。そんな町のビストロがアタ」
そこにはどんな料理が出され、誰が集まり、どういう会話が飛び交うのか?
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